涙目、涙道閉塞症(なみだめ、るいどうへいそくしょう)の手術治療

おとなのなみだ目(涙道閉塞症)にお悩みの方へ

横浜相鉄ビル眼科医院では、涙道閉塞症に対して涙道内視鏡を使用した涙管チューブ挿入術による治療を行っています。なみだ目にお悩みの方は、どうぞご相談ください。

なお、この治療は、当院では、涙道治療、なみだ目の治療を特に専門としている松村望(まつむらのぞみ)医師(女医)だけがやっています。

以下は大人の涙道閉塞を想定していますが、松村望先生は子供さんの「先天性鼻涙管閉塞」の治療のスペシャリストでもあります(子供さんの場合、通常は内視鏡を使わずにブジーという棒で貫通さすのみで終わり、チューブを留置する必要はありませんが、以下の記事は参考になると思います)。

まずは松村医師の外来を受診してください。松村医師の外来は予約制ですから、電話で予約をとってからいらしてください。

054-311-2752 横浜相鉄ビル眼科医院(午前9時から午後6時まで。電話中が多くてごめんなさい。午後のほうがつながりやすいです)

横浜相鉄ビル眼科医院のホームページへ  ここまで大高筆。ここから松村望医師筆


●涙道閉塞症(るいどうへいそくしょう)とは?

涙は目尻上にある涙腺(るいせん)から分泌されて、目の表面を潤して保護します。たまった涙は涙道(るいどう)という涙の排水管を通って鼻にぬけます(下の図)。



涙道が細くなったり、つまったりすることを涙道閉塞症(るいどうへいそくしょう)と呼びます。涙道閉塞症になるといつも泣いているように涙があふれて、流涙症(りゅうるいしょう)、つまりなみだ目になります。

●涙道閉塞症の症状は?

涙道閉塞症になると、涙が鼻に流れていかなくなり、涙道の中にたまり、目の方に逆流してくるようになります(下の図)。



少しの刺激でも涙があふれ、目がウルウルする、涙で視界がぼやける、目の周りの皮膚が切れる・ただれる、などの症状がみられます。放っておくと、涙道に細菌が感染して涙嚢炎(るいのうえん)をおこし、膿がたまったり、目やにが多くなったり、目頭が腫れたりすることもあります。

●涙道閉塞はどうして起こるの?

涙道閉塞のおもな原因は、加齢による変化ですが、感染、顔の外傷、蓄膿症などの鼻の病気、点眼薬や抗がん剤などによって起こることもあります。まれに涙道内のポリープや腫瘍によることもあります。

●涙道閉塞の検査は?

・細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)

眼科では必ず行う検査です。光を当てながら顕微鏡で目の周囲や眼球を観察します。涙のたまっている量や目の状態、涙点を診察します。蛍光色素の点眼薬をつけてからしばらく時間をおいて、点眼薬が目にどれくらい残っているかを見て、涙の排水を調べる検査も行います。瞼の動き、結膜のたるみ、逆さ睫毛、ドライアイなど、涙道閉塞症以外の流涙症の原因がないかも確認します。

・涙管通水検査

涙点から生理食塩水などを流し、鼻まで通っているか、涙道に膿がたまっていないか、などを検査します。

このほかにも、涙の量を調べる検査や、画像検査を行うことがあります。

●涙道閉塞症の治療

当院では日帰りで出来て安全性の高い涙管チューブ挿入術を積極的に行っています。

●涙管チューブ挿入術

涙道の詰まっている部位を押し広げて再開通させて、シリコンなどの柔らかい素材でできた専用の涙管チューブを涙道の中に挿入します。つまっている場所を診断して確実に広げ、的確にチューブを挿入するために、当院では涙道内視鏡(下の写真)を使用しています。挿入したチューブは外からはほとんど見えず、日常生活も制限なく過ごすことができます。

涙管チューブは通常2~3ヶ月間たってから外来で抜きます。手術は局所麻酔で行い、日帰りで治療ができます。手術にかかる時間は、つまっている程度によって個人差がありますが、片目でだいたい20~30分くらいです。

・涙道内視鏡(下の写真)



先端の直径が1mm以下の極細内視鏡です。銀色の部分(爪楊枝くらいの太さです)を涙道の中に挿入します。(先端が少し曲がっているところが使いやすさのポイントです!)

・涙道内視鏡で見る正常の鼻涙管の中(下の写真)



中が空洞のようになっていて、トンネルや洞窟の中を覗いているような感じに見えます。


・閉塞している鼻涙管の一例・・・涙道内視鏡の画面(下の写真)



鼻涙管の中(▶で囲んだ部分の内側)が、白っぽい膜のようなものでふさがっています。涙の通り道は、針穴のように小さく残っているだけなので(➡の部分)、涙がほとんど排水されません。この部分を大きく広げてからチューブを入れます。

・涙管チューブ(下の図)



涙道の中に留置されているチューブのイメージ(水色がチューブ)。通常は2~3ヶ月間、チューブを入れておきます。違和感はほとんどありません。

・涙管チューブの一例(下の写真)



チューブは柔らかい材質でできています。水色と白の持ち手のついた棒のようなものは、チューブを入れるときに使う道具です。

・実際に涙管チューブが入っている目の状態(下の拡大写真) 



目頭のところに半透明のチューブが少し(1mmくらい)見えています(矢印)。青い点のようなものはチューブのマークです。チューブは見た目ではほとんどわかりません。

涙管チューブが挿入できなかったり、再発をくりかえしたりする場合は、涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ):DCRという手術によって新しい涙道を作る方法をおすすめする場合があります。入院が必要な場合が多く、DCRを専門としている大学病院などを、責任を持ってご紹介させて頂きます。DCRをお受けになった場合、手術後の通院や処置は、当院で可能です。

涙道閉塞症の治療は進歩しています。流涙症に悩んでいたら、あきらめずに当院を受診してご相談ください。

●参考図書
「涙道内視鏡入門」(筆者(松村 望)が共同編集および分担執筆した、手術の専門書です。)
後藤 聡,鶴丸 修士,松村 望 編集
井上 康,鈴木 亨,佐々木 次壽 監修
メジカルビュー社 2016年 出版


主に、患者さんをご紹介下さる先生方へ(ここからまた大高筆)

平成29年から、縁あって、松村先生に当院に診察に来てもらえることになりました。

松村先生は本当に素晴らしいドクターです。自分は涙道の名医だと思っていますし、多くのドクターがそう思ってらっしゃるようです(もちろん他にも涙道の名医がいらっしゃる前提ですが)。高い技術を持ち、しかも、ほんとうに熱心に仕事をされていますし、患者さんへの対応も素晴らしいです。

涙道内視鏡は、本体は堅牢なんですが、ファイバーが1本数十万円とかしますし、それがボコボコつぶれますので、手術自体は決してお金が儲かる仕事ではありませんが(というより、松村先生いわく、眼科の中では一番儲からない仕事・・・)、涙道疾患で困っている患者さんのため、そしてそういう患者さんを救ってあげたいという松村先生の情熱を世の中に生かすために、当院で治療をやっています。

患者さんをご紹介いただける際、難しい手配は一切必要ありません。患者さんに紹介状を渡し(内容は「流涙」や「涙嚢炎」の2、3文字だけとかで大丈夫です。もちろん紹介状なしで、口頭で行くよう伝えていただくだけでも大丈夫です)、「あとは自分で045-311-2752横浜相鉄ビル眼科医院に電話して松村先生の予約を取ってね」とお伝えください。

以下、松村先生の業績集です。参考になさっていただければ幸いです。by大高功院長

松村望医師 業績一覧

●著書

・涙道内視鏡入門
松村 望 著.(分担執筆および編集) 後藤 聡,鶴丸 修士,松村 望 編集
井上 康,鈴木 亨,佐々木 次壽 監修
メジカルビュー社 2016年

・赤ちゃんのなみだ目は自然に治る? 「眼科開業医のための診療・連携ポイント30」
松村 望 著.(分担執筆) 松元 俊,吉川 啓司 編. 診断と治療社 2015年

・第18章 涙器疾患 「小児眼科学」 
松村 望, 新田安紀芳 著,(分担執筆) 東 範行 編. 三輪書店 2015


●学会発表・シンポジウム

・DR-1αで診る涙道閉塞症のオキュラーサーフェス (シンポジウム講師)
シンポジウムテーマ 「涙道治療の未来展望」
松村 望. 第6回涙道・涙液学会総会 大阪 2017

・先天鼻涙管閉塞における涙液中IL-6濃度と罹病期間の関連
松村 望 他. 第6回涙道・涙液学会総会 大阪 2017

・中隔視神経異形成症11例における臨床所見の検討
脇屋 匡樹,松村 望 他. 第73回 日本弱視斜視学会総会 金沢 2017

・乳児眼瞼・眼窩血管腫の新旧2例ずつの治療経過
松村 望 他. 第5回眼形成外科学会総会 小倉 2017

・小児涙道閉塞症に対する涙管チューブ挿入法の検討
松村 望 他. 第40回 日本眼科手術学会総会 福岡 2017
  
・先天奇形症候群に伴う涙器疾患の検討
松村 望 他. 第70回 日本臨床眼科学会総会 京都 2016

・DR-1αによる原発性後天性涙道閉塞の涙液観察
松村 望 他. 第5回 日本涙道・涙液学会総会 東京 2016

・心因性視覚障害として紹介された患者の転帰
大野 智子,松村 望 他.第72回 日本弱視斜視学会総会 横浜 2016

・小児涙道疾患の診断 (シンポジウム講師)
―涙点・涙小管閉塞,先天涙嚢瘻,先天涙嚢ヘルニア,後天涙道閉塞―
シンポジウムテーマ 「先天鼻涙管閉塞に対するプロービング時期の議論を超えて」
松村 望. 第39回 日本眼科手術学会総会 福岡 2016 

・先天鼻涙管閉塞患児の弱視リスクに関する検討
松村 望 他. 第69回 臨床眼科学会総会 名古屋 2015

・涙道内視鏡を用いて鼻涙管解放術を行った先天性涙道形成不全の2例
松村 望 他. 第4回 日本涙道・涙液学会総会 大阪 2015

・神奈川県立こども医療センターにおける未熟児網膜症45年間の推移
浅野 みづ季,松村 望 他. 第39回 日本小児眼科学会総会 神戸 2015

・Silicone tube intubation assisted by dacryoendoscopy for treating congenital
nasolacrimal duct obstruction in children aged one year and older
Nozomi Matsumura et al. AAPOS-JAPO-JASA Joint Meeting Kyoto 2014

・小児流行性角結膜炎後の涙道閉塞に対する涙道内視鏡を用いた診断と治療経験
松村 望 他.第3回 日本涙道・涙液学会総会 東京 2014

・ダウン症候群17例に対する涙道疾患の診断と治療経験
松村 望 他. 第37回 日本眼科手術学会総会 京都 2014

・症候群性頭蓋縫合早期癒合症に対する顔面形成手術前後における水平斜視の変化
松村 望 他. 第67回 臨床眼科学会総会 横浜 2013

・ 小児涙道疾患における鼻性鼻涙管狭窄の特徴
松村 望 他. 第2回 日本涙道・涙液学会総会 大阪 2013

・症候群性頭蓋縫合早期癒合症における外斜視およびV型斜視の原因
松村 望 他. 第69回 日本弱視斜視学会総会 広島 2013
 
・先天性鼻涙管閉塞症に対する色素残留試験の感度
松村 望 他. 第66回 臨床眼科学会総会 京都 2012

・先天性涙点閉鎖60例の検討
松村 望 他. 第1回 日本涙液・涙道学会総会 横浜 2012

・Duane症候群57例の検討
石戸岳仁,松村 望 他. 第68回 日本弱視斜視学会総会 名古屋 2012

・ヤング・シンプソン症候群における眼所見
松村 望 他. 第37回 日本小児眼科学会総会 名古屋 2012

・神経線維腫症Ⅰ型における眼合併症と頻度
石戸岳仁,松村 望 他. 第65回 臨床眼科学会総会 東京 2011

・先天性鼻涙管閉塞症に対するブジー治療法の検討
松村 望 他. 第65回 臨床眼科学会総会 東京 2011

・視野の自然寛解をみた網膜動脈分枝閉塞症の1例
松村 望 他. 第25回 日本小児眼科学会総会 鹿児島 2000

・眼内液よりPCR法にて単純ヘルペスウイルス2型を検出した急性網膜壊死の1例
松村 望 他. 第54回 臨床眼科学会総会 京都 1998


●講演会・セミナー

・「小児涙道疾患アップデート 2017」
2017年8月 岡山 岡山県眼科医会 眼科アップデートセミナー2017

・「小児の涙道内視鏡手術 ~確実な手術のコツ~」
2017年7月 大阪 フォーサム2017 第6回日本涙道・涙液学会総会
ランチョンセミナー 

・「小児涙道疾患の診断と治療 ~乳児眼科診察のコツ~」
2017年4月 君津 第5回 千葉県眼科医会 病院見学会・講演会 特別講演

・「オキュラーサーフェスと涙道 -涙の動きと眼関連粘膜免疫-」
2017年1月 横須賀 横須賀市眼科医会 新年学術講演会 特別講演

・「小児眼科の病診連携と最新の話題」
2016年11月 鎌倉 鎌倉市眼科医会学術講演会 特別講演

・「小児涙道疾患の診断と治療 ~乳児眼科診察のコツ~」
  2016年10月 東京 東邦大学 大森学術研究会 特別講演

・「小児涙道疾患に関する最新の話題」
2016年7月 福岡 福岡大学病院 眼科カンファレンス

・「眼表面に答えが見える!涙道閉塞症」
2016年7月 東京 フォーサム2016 第5回日本涙道・涙液学会総会
イブニングセミナー 

・「涙管チューブ挿入術 -涙道内視鏡を使用するDSI-」
2016年7月 東京 フォーサム2016 第5回日本涙道・涙液学会総会
ランチョンセミナー 

・「明日から活かせる小児眼科の基礎知識」
2016年6月 横浜 第1回横浜・横須賀クリニカルワークショップ 特別講演

・「涙道内視鏡による涙道疾患の診断と治療 ~成人と小児~」
2016年3月 横浜 第10回 西区眼科医診療連携の会

・「小児の眼 -診療のポイント・紹介の時期・最新の話題―」  
2015年2月 横浜 神奈川県保険医協会

・「小児涙道疾患に関する最新の話題」  
2015年1月 広島 第274回 広島眼科症例検討会

・「先天性鼻涙管閉塞症の治療を考える」
2014年9月 東京 杏林大学アイセンター オープンカンファレンス

・「涙道内視鏡所見から考える涙道疾患の診断と治療 -成人と小児-」
2014年9月 第1回 逗子 なぎさの眼科女医会

・「涙道内視鏡所見から考える涙道疾患の診断と治療」 
2014年9月 横浜 第4回 レディースアイフォーラム


●論文

・Cytokine profiles of tear fluid from patients with pediatric lacrimal duct obstruction.
 Nozomi Matsumura et al.
 Investigative Ophthalmology & Visual Science. Vol.58, Page, 252-256, 2017.

・神奈川県立こども医療センターに心因性視覚障害として紹介された患者の転帰
大野智子, 松村 望 他.眼科臨床紀要 第10巻 2017

・High-resolution dacryoendoscopy for observation for pediatric lacrimal duct obstruction.
Nozomi Matsumura et al.
American Journal of Ophthalmology Case Reports, Vol. 1, p23–25 2016

・小児涙道疾患の外科的治療 特集 涙道疾患の外科的治療 2015
松村 望. あたらしい眼科 Vol.32 2015

・小児涙道疾患における鼻性鼻涙管狭窄の特徴
松村 望 他. あたらしい眼科 Vol.31 2014

・眼瞼下垂 特集クローズアップ“目・耳・鼻・口の診かたと初期対応”
松村 望 他. 小児内科 45巻 2013

・流涙症Q&A  基礎編 涙道の発生について教えてください
松村 望. あたらしい眼科 Vol.30 臨時増刊 2013

・流涙症Q&A 臨床編 涙道の先天異常
小児の流涙症を診るときに鑑別すべき疾患について教えてください
松村 望. あたらしい眼科 vol.30 臨時増刊 2013

・先天性鼻涙管閉塞症に対する色素残留試験の感度
松村 望 他.臨床眼科 第67巻 2013

・神経線維腫症Ⅰ型における眼合併症と頻度
石戸岳仁,松村 望,他.臨床眼科 第66巻 2012

・先天性鼻涙管閉塞症に対するブジー治療法の検討
松村 望 他. 臨床眼科 第66巻 2012

・視野の自然寛解をみた網膜動脈分枝閉塞症の1例
松村 望 他. 眼科臨床医報 第95巻 2001

・治療経過中に網膜剥離を合併したvon Hippel-Lindau病の1例
大庭静子、松村 望、伊藤大藏. 眼科臨床医報 第94巻 2000

・High prevalence of herpes simplex virus type 2 in acute retinal necrosis syndrome associated with herpes simplex virus in Japan.
Norihiko Itoh, Nozomi Matsumura et al.
American Journal of Ophthalmology, Vol. 129, Issue 3, p404–405,2000


mail: otaka@isao.com

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