網膜剥離(もうまくはくり)の手術 

私は網膜剥離の手術を多く手がけております。この手術は気合いが必要なので、強い決意を持って臨んでおります。迅速な手術治療、多少の犠牲を払ってでも確実な網膜の復位を得る事が大切です。

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完全な網膜はく離に至る前の網膜裂孔、網膜はく離裂孔の段階でのレーザー治療に関してはここをご覧下さい。


網膜剥離とは、網膜、すなわち目の奥にある、カメラで言うとフィルムにあたる部分が、本来なら目の奥にびったりとへばりついているのですが、そこからはがれてくる病気です。網膜の一部に偶然穴が開き、そこから水がしみこんで行き、徐々に網膜がはがれていきます。

放置しておくと100%失明します。

網膜剥離の手術は、はっきりいって難しいです。

下の左の写真が典型的な網膜剥離です。上部の網膜がはがれてういている感じがわかっていただけますでしょうか。網膜は半透明なので、ちゃんと目の後ろにくっついていると下の層のしま模様とオレンジ色がはっきり見えますが、はがれると、しま模様が見えなくなり、色も白っぽく見えます。右が術後です。

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下の写真はちょっと変わった網膜剥離で、黄斑円孔網膜剥離といいます。網膜の中心部に突然穴が開き、そこから網膜がはがれます。左が術前です。網膜が全部はがれています。右が術後です。再度網膜がついているので、下の層の模様がはっきり見えます。この網膜剥離は非常に治すのが難しいです。下の症例はわれながらうまく治っています。

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網膜剥離は、初期のものですと、レーザー治療のみで止められる場合があります。横浜相鉄ビル眼科医院では、患者さんの同意が得られれば、即座にレーザー治療をしております。網膜剥離はスピーディーな治療が命です。長期の入院が必要な場合、東京医療センターの秋山先生に紹介する場合がございます。その場合、秋山医師は当院での外来も担当しており、術後当院で診てもらえます。

以下、ややプロ向けの内容ありです。

網膜剥離はバックリングを基本にしております。裂孔不明例、ものすごく深部にある場合(黄斑円孔網膜剥離、外傷以外はほとんど経験しないですが)、バックリングでどうしても復位しない場合のみ、ビトレクトミーでアプローチしております。下方のbreak、巨大裂孔もバックリングでほとんどsealいたします。

ビトレクトミーできれいに治ったときはほんとうに美しいですが、少ないものの、PVRで悲惨になったりするばあいがありますので、可能な症例にはバックリングが良いのではないか、と思っており、その方針で施行しております。ビトレクトミーで、剥離網膜上の硝子体をすべて除去することはかなりきびしいと思いますし(網膜がひらひらしているので、硝子体を食べていくと、網膜も食いついてきます)、そこを足場に、pigmentの散布の多い症例などでPVRが発生します。



患者さんの体験談です。網膜剥離の小さいものはレーザー治療で治りますが、範囲の大きいものは手術が必要となります。大きな網膜剥離に関しては、当院では基本的に紹介して入院での手術(他院へのご希望がない限りは、当院の秋山医師が平日勤務する東京医療センターへ紹介しています)をお勧めしておりますが、どうしても入院できない理由があって手術を受けられない方には、鄭医師による日帰り手術で対応しております。



私は、数年前に網膜剥離で入院し手術を受けました。そのときは10日間程入院が必要でした。その病院は大きな総合病院で、経過観察中に病院が移転したため、家から近い病院として、相鉄ビル眼科を紹介いただきました。

経過観察で年に数回通院していた頃の病院の印象は、大高先生の明るさと、いつも混んでいること、でした。今回、違う場所に網膜剥離が起こり、硝子体手術を受けて、先生もスタッフの方も設備も素晴らしい病院であることがわかり、感謝の念とともに、自分は運がよかったと心から感じました。

鄭先生は、眼の状態や手術の内容の説明も丁寧で、安心してお任せできました。日帰りで手術ができることにも驚きました。メールでの質問にもタイムリーにお返事を下さり、手術の前も後も不安なく過ごすことができました。手術のときのことは、実はあまり覚えていません。手術中に何度か声をかけていただいた気はしますが、いつの間にか終わっていました。手術中は、私の好きなバッハのピアノ曲が頭の中で聞こえていました。

ただひとつ、問題があったとすれば、手術した眼が想像以上によくなり、左右の視力の差が大きくなってしまったことです。手術前に説明をお聞きしてはいたのですが、思った以上でした。コンタクトレンズであれば問題は無いのですが、眼鏡の場合、左右の度数の差が大きいと、見える大きさが左右で異なってしまうので、なかなか合う眼鏡が作れません。老舗の技術の高い眼鏡屋さんに相談したら、わざと左右の視力をアンバランスにして、近いものを見るときと遠いものを見るときで、使い分けている人もいるとのことで、眼鏡を作る必要は無いのでは?と言われました。そんなわけで、今は、日常生活は、特に不自由なく眼鏡無しで過ごしています。手術を受けられる方は、手術後の視力のことを、お考えになった方がいいかと思いました。

今回の手術では、鄭先生やスタッフの方に、心より感謝しています。もしも、友人や親戚で、眼のことで困っている人がいれば、迷うことなく、鄭先生や横浜相鉄ビル眼科を紹介します。

横浜市 T さん


mail: 鄭医師 mtei@y2.dion.ne.jp (網膜硝子体専門医、横浜相鉄ビル眼科医院 火曜日担当) 

otaka@isao.com :大高医師メール (月水金担当)

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