|
緑内障に対する、選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT) 緑内障(りょくないしょう)で、目薬や内服薬で視野の悪化が止められない患者さんへの治療は、以前は手術しかありませんでした。が、緑内障の患者さんにとって朗報となる、画期的な新しい治療法ができました。それが選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty 略してSLT)です。
緑内障とは・・・視神経がいたんで視野が狭くなってくる病気です。いろいろな説がとなえられていますが、「眼圧がその人の神経が耐えられる値よりも高いために、視神経がいたむ」と考えられています。すなわち、眼圧が低い人でも、視神経がそれに耐えられないぐらい弱ければ神経がいたんでくるわけです。 SLTに興味のある患者さんからよくある質問です。 Q SLTはほんとうに効くのですか? SLTは効かないので受ける価値なしという説を唱えている眼科の先生がいます。 A 効く人には効きます。効かない人には効きません。 Q なぜそのように意見の食い違いがあるのですか? A 私は、実際に自分でやって検証しているから、間違いようがありません。効かないという説があまりにばかばかしいので、SLTは効かないと言っている先生は、自分でやったことないか、機械が悪いか、腕が悪いか、どれかに違いないとしか思えないです。強いて言えば、「もともと10代前半のような高くない眼圧の人にはあんまり効かない事が多い」です。それは「効かないので受ける価値なし」とはものすごい違いだと思います。 自分が嘘を言ってると思われないように、以下にSLTを受けた患者さんのカルテを示しておきます。私が正しいか、効かないと言っている先生が正しいか、あとはみなさんのご判断にお任せします。 Q 私にはSLTは効くでしょうか? A やってみないとわかりません。お薬、手術、なんでもやっぱりそうだと思います。 余談ですが、SLTに関係なく、 「絶対効くならやってください」 「絶対効くとは限りません」 「だったら受けません!」 と言って怒って帰る人もたまにいます。そういう人には、世界中どこの先生もまともに治療してくれないですし、見ているとけっきょく徐々に不幸な方向に行きます。「最善の治療をやってもらって、それでもだめなら仕方がない」と思えた人が幸せになれる人です。 ●患者さんのカルテです。個人情報に配慮して、個人を特定できる可能性のある部分は削除しています。 ↓Vd=右の視力、Vs=左の視力、NT=機械で測った眼圧。AT=医師が手で測った眼圧。ともに右/左の順で記載。手で測ると測定医師によってばらつきがあるため、私は機械での値を重視しています。医師が手で測る方が正確と言う先生もいますが、古く感じます。うちが使っているような最新の機械はそんな甘くはないです。手で測るよりずっとすごいです。 総合病院で、重度のぶどう膜炎、白内障、緑内障でfollowされていた。どんどん悪化する事に不安を覚え、平成○○年1月30日当院初診。両眼とも末期の緑内障。両眼ともひどい白内障。 右はすでに失明寸前。点眼継続以外に特に出来ることなしと判断した(眼圧が8。この時点ですでに視野は測定不能。目は末期になると、元気がなくなって眼圧が下がってきます。この状態で白内障とか緑内障の手術をすると、手術中に終了を迎えますので、点眼以外どうしようもない)。 左は視力0.04。3回測定の眼圧平均値38.7mmHg。初診時に点眼をよく吟味し、少し変更。奇跡的に10台に下がれば様子見、下がらなければ、いかなる手術にはもう耐えられないと判定し、SLTという方針で。 ![]() ![]() ↓2月1日、薬の工夫により左眼圧が下がっている。しかし、あいかわらず高いので、左のSLT施行。2月3日、左眼圧23.3。2月10日、左眼圧14。効果ばっちりだが、3月29日、左眼圧21.7。普通は様子見だが、この方の場合は待ったなしなので、 ![]() ![]() ↓即日SLT追加。その後、ずっと低い値を保っている。もしSLTがなければ、2月中ぐらいには両眼とも失明していただろう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 平成○○年5月以降、本人入院のために来院できなくなりました。 うちに来て、SLTを受けたおかげで、患者さんやの家族はたいへん助かったと思います。私も、すべての人にSLTが効きますとは申しません。しかし、このカルテを見て、SLTは効く人にはとても効くし、それが本人と家族を助けることもあるということをご理解いただければ幸いです。 当院にSLTの治療を受けに来てくださった患者さんの声です。 大高先生 大高 先生 こんばんは 長野県のYです。 本日 月1回の検査日でしたが、状況が悪化していました。 眼圧28。一部視野欠損も進行の兆しあり。 主治医からトラベクロトミーをすすめられました。 私の方から、その前に大高先生のSLTを受けてみたいと相談。 結論として、SLT⇒経過観察⇒改善なき場合はトラベクロトミーと することにしました。 あさって4月25日(水)に横浜に出ていくつもりです。 よろしく お願いいたします。 (なお、主治医の話では、最新治療法のため詳しいことわからないが、やってみる価値はあるかも。 一般的にはレーザー治療の後のトラベクロトミーは効果が落ちるが、SLTは 副作用が少ないからたぶん?問題なかろう。等々、おっしゃってました。 ともあれ、主治医の了承もとれました。) 大高先生 こんばんは 4月25日にSLT手術を受けた長野県のYです。 先週は 激励のメールをいただき どうもありがとうございました。 本日、地元の病院にて術後2回目の診察をしてきました。 眼圧が少し下がりました! 5月7日眼圧29⇒5月14日24となりました。 とはいえ、まだ高眼圧には変わりなく、地元の先生(主治医)からは「14日の状況で最終判断しましょう」と言われていたので、 手術(ロトミー)勧告を覚悟していました。 しかし、地元の先生曰く 「次週21日に最終判断しましょう」とのこと。 最終判断延期の理由は @緊急を要する状況は脱した。 ASLTから1か月経過していない。もう少し経過をみてからの判断でもいいだろう。 最終判断の基準としては @眼圧が20を切れば手術は回避する。 A20以上あれば、ロトミーを考える。 先週に比べて眼圧が下がった理由については @目薬を変えた効果(先週、チモプトール⇒ハイパジールコーワに変更) または ASLTの効果 または @×Aの相乗効果 が考えられるとの話でした。 それから、さらに下げられる薬はないのか?との私の要望に対して 少々、生活に不都合が生じるが・・・との前置きで、「サンピロ点眼液2%」が追加されました。 以上、第2回目の中間報告でした。 私も少し気持の余裕がでてきました。あとは また来週のお楽しみです。 ひきつづき よろしくお願いいたします。 大高先生 こんばんは。 4月25日にSLT手術を受けた長野県のYです。 本日の地元の病院での診察結果です。眼圧が21まで下がりました! 経過を振り返りますと 4月25日SLT術前29⇒25日術後20⇒5月7日29⇒5月14日24⇒5月21日21 大高先生の予測どおり、徐々に下がってきました。 そして、主治医の本日の判断は、以下のとおりです。 ・SLTの効果がでてきているのかもしれない。 ・ロトミーをするかどうか、判断に迷う状態。逆に言うと、迷う余裕がでてきた。 ・視神経へのリスクは、大幅に減少したので、さらに次週まで経過観察とする。 ・リスクは減ったが安全圏に入ったともいえない。眼圧は18くらいまで落としたいところ。 ・SLTの2回目を実施した方が良いか?についても、次週5月28日の眼圧を みてから、考えてみたらどうか。 なお、あくまでも私の見た感じですが、主治医の先生も「SLT治療の効果を観察してみたい」と いう気持ちが、強くなってきているように感じました。 さて、次週さらに下がってくれると良いのですが。どうも、自分としては、ここまでかな という予感もありで、また次週 迷うことになりそうです。 主治医の了解を得て、状況によっては、また横浜にでていきたいと思っています。 大高先生、こんばんは 4月25日にSLT手術を受けた長野県のYです。 先日、6月4日の診察結果です。 眼圧が18まで下がりました! (^^)V ! 視野検査も、一部欠損はあるものの、進行はしてないとのこと。 主治医の判断では安全域に戻ったので、定期診察の間隔も 1週間から1か月に伸ばすことになりました。 SLT術から40日の経過で、眼圧29から18まで下がったことになります。 もちろん、目薬は継続使用していますが、驚きの結果です。 本当に、ありがとうございました。 ここまでの眼圧推移を振り返ると、手術日の大高先生の予測どおりになりました。 大高先生の腕前と判断に、改めて心服いたしました。 次は、1カ月後の診察で眼圧が更に下がって、目薬の種類が減ればいいなあ と思っています。 大高先生 こんばんは。 SLTを施術して頂いた後 丁度一ヶ月になります。 お陰様で、あれから順調に眼圧が下がりまして 一昨日の測定では10まで下がりました。 計るたびに下がって行きました。ありがとうございます。 近所のクリニックの先生からも経過報告のお手紙が届いたかと思います。 あの時家内の背中を押して、先生に手術をして頂いてほんとうに良かったです。 このまま低眼圧で推移してくれることを願っています。 mail: otaka@isao.com |